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古森義久氏、本性を顕す。

2009/10/31 00:22

 

 

ブロッガーの逮捕が増えてきた - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/1296365/

前のエントリ(( http://d.hatena.ne.jp/pr3/20091027/1256656309 ))で、古森義久氏のブログがおかしなことになっていると紹介したのですが、なにやら歯止めのきかない暴走状態に陥ってしまっているようです。
ネット上での発言が、その国の法規に明確に違反していれば逮捕の対象になることを、古森氏はいままで知らなかったようです。これが日本国の場合、威力業務妨害という明らかな犯罪行為に対して逮捕・刑事処罰された例は数多くあります。なお、「威力業務妨害」は単なる業務妨害ではなく、暴力的な手段を用いた場合のことです。また、名誉毀損という重大な人権侵害に対して刑事判断が下った例もあります(が、たいていは民事の名誉毀損裁判になります)。こうした逮捕・刑事罰が認められるのは、言論が他者の人権を侵したときに、言論の自由というもう一つの人権との兼ね合いを考慮した上で、なお看過できないという通念があるからです。言論の自由がどこまで認められるかは常に論議がありますが、これは基本的人権の一つであり、「公共の福祉」((日本国憲法第12条。なお、この「公共のう福祉」は「国家の利益」ではなく、お互いに他者の人権を侵害しないことを意味するのが通説です。[Wikipedia:公共の福祉]も参照。))に反するぎりぎりのところまでは認められると解釈するべきものです。
批判は不愉快でしょう。明らかな威力業務妨害・偽計業務妨害や、刑事民事を問わず名誉毀損に対しては、自らの権利を守るために立ち向かう必要はあるでしょう。しかしそれを国家権力に委ね、言論弾圧の道具として認めることは、少なくとも自由主義・民主主義を標榜する姿勢とはまったく矛盾するものです。
全世界で活字・放送ジャーナリストとネットジャーナリストを合わせて125人が逮捕・拘束されており、うち56人がネットジャーナリスト(ブロガーを含む)であるというCPJ(ジャーナリスト保護委員会)の調査を引用した自称ジャーナリストの古森義久((この表現を使うと本人が激怒することは承知していますが、ここではこのように表現する以外ありません。))は、この事実を、ジャーナリストの保護のためではなく、ブロガーの逮捕は珍しくないという文脈で引用しています。一人のブロガーの、名誉毀損かもしれないゲンドウに立腹したというだけの理由で、ブロガーが逮捕さてざまを見ろとでも言いたいのでしょうか。
このエントリも含めて、古森氏が中国のネット言論弾圧を批判するのは、ネット言論の価値を認めているからではなく、単に中国政府を攻撃する材料としか考えていない、ということでしょうか。言論人として、あまりにも、あまりにも情けない姿勢だと指摘せざるを得ません。一歩も二歩も譲って、ネット言論の価値を認めろとは言わないとしても、「ジャーナリストを名乗る人々が言論を理由に国家権力によって弾圧されている事実」に対して、まったく危機感を持っていないのでしょうか。
ついでながら、コメント欄で、「産経やイザや古森への言論妨害は組織的かもしれませんね。」と述べていることに、あらためて不安を抱きます。少なくとも、3年ほど前から個人で(身を守るための匿名で)、産経や古森氏を批判し続けているブロガーがここにいます。そのきっかけも、古森氏がJIIAの言論を弾圧したというスティーブン・クレモンス氏の批判がきっかけでした。古森氏への批判はずっと続いていて、それがたまたま現在増えているだけでしょう。かつての信奉者が次々に離反して、本人はそれを合理的に認めることができず陰謀論で片づけるというのは、もはや末期状態ではないでしょうか。これは本当に、心配して申し上げることです。

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産経「正論」、ソースロンダリングする。

2009/10/24 00:29

 

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外国人参政権で危惧されること - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/315975/
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23日付「正論」は、17日の学黒人参政権反対イベントや18日の阿比留記事(( http://d.hatena.ne.jp/pr3/20091019/1255964239 参照。))にも登場した、百地章・日本大学教授です。もういきなり、外国人参政権はマニフェストに書いてなかった、それを推し進めるのはマニフェスト違反だ、という、<strong>論理学の初歩もわかっていない人</strong>が法学部教授で、本当に日本は大丈夫なのか、と心配になるような発言から始まります。さらにその先では、対馬の市長選などで在日外国人がキャスティングボートを握ったら、ですよ。「対馬が危ない!」キャンペーンについては最近あまりチェックしていませんでしたが((と書いてからあわてて検索してみましたが、目立った=笑える記事は最近出ていなかったようです。一応この記事だけ紹介しておきましょうか。『陸上自衛隊対馬警備隊の1等陸曹を万引で停職処分』 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/302142/ ))、こんなところで展開されていたとは。
そして驚いたことに、先述の阿比留記事に対しても指摘した憲法第15条1項および第93条2項の解釈としての最高裁判例(平成5(行ツ)163)が「外国人に選挙権は保証されない(選挙権を与えなくても違憲ではない)」という判決だったことを挙げながら、傍論「選挙権を与えても違憲ではない」という解釈が示されたことには、まったく触れていないのです。この人はほんっっっとに論理学がわかってないのですね。傍論で示された違憲ではないという判断を、本論と矛盾していると勝手に決めつけていますが、どう矛盾しているのか、説明してほしいものです。そしてそれと同時に、こういうことを憲法学者の肩書きで発表するソースロンダリングが行われると、繁多派が「それみろ、偉い学者先生様がこうおっしゃっている」と触れて回るのが今から目に見えるようで、げんなりします。

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産経、無責任にコミケ潰しを煽る。

2008/07/24 23:46

 



アニメ・ゲームの夏キター 熱い8月、催しめじろ押し - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/comic/163868

毎回のように言っている気がしますが、素人をコミケに誘導すんな! 少なくとも、「事前にカタログの注意事項を熟読すること」が参加者の義務とされているという記述をどこかに入れてください。
特にこの記事、「プロも参加している」「すぐ売り切れる」「だからみんな朝早くから並ぶ」など、徹夜を推奨したいのかと思わせる記述があり、本気で腹が立ちます。コミケが潰される(二度と開催できなくなる)可能性はいくつかありますが、その最大のひとつが徹夜組によってコミケが潰される可能性です。準備会や良識ある参加者がこれだけ口を酸っぱくして「コミケで徹夜をするな」と言っていることが、こうした記事が流れるだけでおじゃんになってしまうかもしれないのです。さらに言いましょうか。一回のコミケで、徹夜組のためだけに数百万円の余計な警備費が必要になっています。それを負担するのは我々サークル参加者と(カタログ購入費のかたちで)一般参加者なのです。この無責任な記事によって警備費が増えたら、産経新聞社と谷口隆一記者が負担してくれるんですか?

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花岡信昭氏のタイムトリップ。

2008/07/06 23:34

 



【政論探求】「忘れない」は別れ言葉 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/157553


花岡信昭氏です。ぼんやり読んでいると、あれ、けっこうまともなこと書いてるなあ、実はちゃんとした人なのかなあ、と思ってしまいそうです。日米同盟はこれで終わりだ、的なことを花岡氏が言うとは思いませんでした。
集団的自衛権憲法解釈として認めようというのは、長年米国が要求してきたことで、日米同盟の強化に関する最大の課題となっています。しかし、政府の懇談会がようやく憲法解釈にまで踏み込んで出した提言を、福田首相は棚上げしました。だから、お返しに拉致問題を無視されても仕方ないだろう、ということなのだそうです。こういう指摘はあまり見かけませんが、なるほどと思わせる読み筋です。……しかし、よく考えてみると、実はやっぱりちゃんと花岡氏なのでした。
政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が提言を出したのは、6月24日のことでした。これを首相が棚上げした、と判断できるのは、少なくとも25日以降でしょう。26日に核申告書の提出があり、同日にブッシュ大統領が指定解除の手続きに入ったことを発表しました。表題の「忘れない」発言はこのときです。1日や2日前の出来事がこの判断に影響したのでしょうか。そもそも、ライス米国務長官の「核申告書提出があれば(拉致問題全面解決と関係なく)テロ支援国家指定を解除する」という発言が18日で、この時点であとは手続き上の問題だということが確定していたのですから、24日の提言とその後の首相の判断がどうやって影響を与えられると思ったのか、ちょっとこれは直接花岡氏に訊いてみたいところです。

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山本秀也氏、産経新聞を代表する。

2008/06/29 23:48

 



【土・日曜日に書く】山本秀也 「硫黄島の砂」に思う日米関係 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/157076

産経新聞ワシントン支局長・山本秀也記者のコラムです。個人的な印象なのですが、山本記者はまともな記事ばかり書くわけでもなく、デムパな記事ばかり書くわけでもなく、両方をバランスよく発表するし、出発点は思いこみでも実際にきちんと取材はしたりして、ある意味で産経新聞を代表する記者だと感じます。特にこのコラムは山本記者の特徴が凝縮されていて、この人の記事だけ読んでいても、産経の全体的傾向はわかるなあ、という印象を強くします。
硫黄島といえば言うまでもなく、太平洋戦争最大の激戦地で日米双方に多大な被害を出した、敗北と勝利の象徴であるわけですが、その硫黄島の砂を記念品として米海兵隊博物館で売っている、という話です。慰霊の島として捉える日本人にとって、少なくとも山本記者にとっては、たいへんショッキングな話です。まあ、そういうことにしておきます。この問題について日米双方の帰郷軍人に話を聞くなど、なかなか力の入ったコラムでした。
冒頭と末尾では、テロ支援国家指定解除は日本の気持ちへの想像力が足りないという指摘があり、それに関連したテーマとして砂問題を持ち出しています。同じ理由で、いきなり昨年の従軍慰安婦問題決議を持ち出したりとか、なかなか愉快な文章なのですが、全体としてはかなり反米的に読めます。しかし、やたらと「日本にも相手への思いやりが必要」と強調するのですね。

最後に挙げておきますが、山本記者はちょうど1年ほど前に硫黄島について書いた記事で、「永遠に刻まれる」という原文を「燦然と輝く」と訳した、捏造に近い誤訳を指摘されています。

(cache) Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 「イオウジマ」を返せ 呼称変更でアメリカ困惑「歴史書き換え」!? - ウェブ魚拓
http://megalodon.jp/?url=http%3A%2F%2Fheadlines.yahoo.co.jp%2Fhl%3Fa%3D20070622-00000901-san-int&date=20070622131744


硫黄島」呼称について - I have got some news from ...
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20070622/p1

この「日曜日に書く」にも「輝かしい勝利」「栄光の象徴」という表現があって、ついこの事件を思い出してしまいました。実になんともいろんな意味で、産経新聞を代表する貴社だろうと思います。

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古森義久氏、寓話の人物になる。

2008/06/27 23:23

 



中国経済の果てしない闇とは――ドイツでの報告(2) - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/622961

昨日に続き、ドイツ講演での(おそらく通訳者へ事前に渡したと思われる)原稿の転載です。「ドイツ人に伝えるための講演」という視点がないのも、引き続きです。
今回は中国の食品問題と知的所有権問題について取り上げているのですが、「<em>肉マンジュウのヒキ肉に増量のため混入される段ボールの厚紙の切片</em>」はないでしょう((今週放送されたアニメ『ヤッターマン』でもたまたまこのネタを使っていましたが、そもそも事件が昨年7月だったのに対して番組が始まったのが今年1月でリアルタイムで扱うことは不可能、かつ、インチキ商売が作品の重要なモチーフになっているのでいずれ取り上げることになっただろう、という事情があります。ただ、実際にあった事件かのように取り上げているのは、同じくデマを定着させてしまうことになりかねない表現でした。))。少なくとも、北京テレビによる第一報はヤラセ報道であったことが確定しており、段ボール肉まんが実際に売られたという証拠もありません(売られていない、という証拠もありませんが)。
古森氏自身は(本人がデマだと認識しているかどうかにかかわらず)デマを広めることに抵抗がないのかもしれませんが、デマとわかっているものを言いふらす人は、他になにを言っても信用されなくなります。『オオカミ少年』のイソップ寓話は、ドイツでもよく知られているのではないでしょうか。

**オバマ陣営、朝日新聞に論説を書く。
関係あるようなないような話題です。

オバマ外交、日米深化 外交・安保顧問が共同論文 - asahi.com
http://www.asahi.com/international/update/0626/TKY200806260277.html

オバマ陣営の外交・防衛顧問を務めるリチャード・ダンズィグ氏が、かつてともにクリントン政権の幹部を務めたハーバード大教授のジョセフ・ナイ氏と共同で、オバマ氏の外交・対日政策について朝日新聞に寄稿しました。この記事は抄訳のみで、全文(英文)は28日のInternational Herald Tribune/The Asahi Shimbunに掲載されるそうです。
日本を持ち上げすぎというか、ある意味で現状認識ができていないようなので、わたしとしてはこの文章を読んでかなり不安になったのですが((「日本人、少なくとも朝日新聞読者は、外国人(イザヤ・ベンダサン氏など)から批判されることを好む」という現状認識もないのはちょっとねえ。))、それはそれとして。また、どうも日米安保の強化と国際部隊への参加を求めている、というニュアンスも強いのですが、どうなることでしょう。
ところで、「オバマ外交は日本軽視になる」「日米同盟維持のためにはマケイン候補しかない」と強く主張し、一方で朝日の記事にはなにがなんでも噛みつこう、という人を約1名知っているのですが、彼はこの記事にどういう反応を示すのでしょう。それから、どこかの新聞にはマケイン氏との個人的なつながりをやたら強調する記者がいましたが、マケイン陣営がその新聞に対して、文章を書き下ろすどころか、単独で談話を寄せたという話すら、聞いた覚えがないですねえ。

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花岡信昭氏の藁人形と二重基準。

2008/06/25 04:38

 



【政論探求】菅さんのカン違い - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/155726


もはや形容する言葉も尽きた、花岡信昭氏です。まあたしかに、菅直人氏もパフォーマンスが過ぎるきらいはありますね。問題を起こした役所を「視察」するのはいいのですが、「国政調査権」を持ち出したとしたら、それは大間違いです。国政調査権は議会が持つもので、個々の議員が判断して行使できるものではありません。この点は、花岡氏の指摘するとおりです。

で、まずひとつ。菅氏はこのとき、国政調査権を持ち出したのですか? そんな報道は見あたりません。花岡氏自身、「これが国会議員の国政調査権に基づくものと認識しているのだとすれば」と、仮定形で述べています。
そしてもうひとつ、議員個人が勝手に国政調査権を持ち出した例がつい3ヶ月ほど前にあり、産経新聞「正論」欄もそれを肯定していたのですが(

http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080423/1208952974 参照)、なぜ、この問題に言及しないのですか? 「政権を担当するとしている民主党だけに、権力の行使には一定の節度がほしい」とかっこよくまとめていますが、現に政権を担当している自民党の稲田朋美議員が、仮定ではなく実際に「許されない」ことをしているんですが。

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古森義久氏、悲痛に叫ぶ。

2008/06/21 21:32

 



ブッシュ政権はなぜ北朝鮮を「テロ支援国家」指定から解除するのか――日本の拉致はどうなる? - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/616380

ライス国務長官が「北朝鮮が核開発について満足できる申告があればテロ支援国家指定を解除する」と述べたことについて、「その解除にはもう日本人拉致事件の解決、あるいは解決への進展がなくてもよい、というのです」と憤慨しています。というのはほとんど見出しと同じ内容ですが、とにかくそれしか言っていないので。
今日の一面に掲載されたらしい「【背信の論理 テロ指定解除】(上)拉致軽視「欠陥の融和策」」という記事を引用しているのですが、ネット上には出ていないようです。

まず、根本的な認識の問題点から指摘します。
日本人拉致問題で進展があったことを受けてのライス発言ではないかとわたしは思います。12日までの日朝協議で、拉致被害者の再調査と「よど号」事件犯人グループの引き渡しが約束されました。再調査の約束があてにならないのは言うまでもありませんが、「よど号」グループは拉致の実行犯を含み、実行犯の引き渡しは拉致問題についての大きな進展と言えます((もちろんその他に、明確なテロ事件である「よど号」事件の犯人を隠匿していたことも「テロ支援国家」の根拠とされていたわけで、その状態の解消も指定解除に大きな影響があったでしょう。))。しかし、この古森記事を含めた産経新聞の報道や論説を見ていると、なぜか再調査のことばかりで、「よど号」グループ引き渡しについてはスルーしていると言ってもいい状態です((たとえば今日の「産経抄」 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/154908/ もこの文脈でした。))。
「生存している拉致被害者は洗脳され工作員にされているのではないか。重要機密や不法工作の実態を知っているため帰国させられないのだ」という憶測がありますが、この前提に従えば、同じく対日工作員として活動していた「よど号」グループを取り調べることで、重要な事実が明らかになることも期待できるのですが。

さて、古森氏は今回のライス発言に、「変節とか背信と評しても、そう的外れではないだろう」という言葉を投げかけています。「いままでの(俺が報じてきた)話と違うじゃないか」というわけです。
ブッシュ政権はずっと、「指定解除には拉致問題解決への進展が必要だ」としてきました。「拉致問題の最終的解決が必要だ」とはひとことも言っていません。今回の判断はブッシュ政権の変節でも、家族会やまして救う会などへの背信でも、なんでもありません。最初からそんな約束はなかったのですから。古森氏は、勝手に過剰な期待をかけて「裏切られた」とわめいているだけなのです。
家族会などの訪米団に対してブッシュ政権がなにか約束した、と古森氏が報じるたびに、「米国は米国の都合で動くんですよ? これって単にリップサービスじゃないの? 古森さんははしゃぎすぎなのでは?」と指摘してきたつもりです。もちろん、古森氏の期待どおりに、米国が積極的に動いて北朝鮮がそれを受け入れ拉致問題の最終的な解決につながれば、それは理想的だったでしょう。ただし、あくまで、理想です。
最後に古森記事は、六者協議からの脱退や米国への公式な反対表明など、いくつかの(かなり決定的と思われる)選択肢を示して、福田政権はこれからどうするのか、と問いかけています。あれだけ騒ぎ強硬策で突っ走りながら1年間で拉致問題になんの進展ももたらさなかった安倍政権と、8ヶ月でいちおう、ほんのわずかでも、進展させられた福田政権。少なくともこの問題に関しては、わたしは福田政権の方を支持します。それにしても、古森氏がここまでの対米強硬策を提示するとは、驚きました。
「なぜ解除するのか」という古森blogの見出しは、「解除する理由を解説します」という意味ではないようです。これは古森氏の、悲痛な叫び声なのではないでしょうか。

エリ・エリ・レマ・サバクタニ (神よ、神よ、なぜ私を見捨てるのですか)

((はてなダイアリーキーワードの解説にもあるように、十字架上のイエスが言いかけて息絶えたこの詩句には「それでも私は神を信じます」という信仰告白が続きます。))

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古森義久氏、米国に奏上する。

2008/06/20 01:00

 

17日から古森blogへのツッコミをさぼっておりエントリもよく見ていなかったので、溜め込んじゃったなあ、まずいなあ、と思いつつ見出しを確認したら、ちょうど(1)~(3)完となっていて、正直助かりました。実はやはり相性がいいのかも(笑)。


四川大地震は日中関係を変えたのか――米側への報告(1) - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/611128
福田首相の対中姿勢は日本国民を怒らせた――米側への報告(2) - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/613336
日本も中国の人権問題に目を向け始めた――米側への報告(3)完 - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/614219

ジョージタウン大学のロバート・サター教授がまた登場しています。というかよく読むと、ひとつの公開セミナーの話題を何度にも分割して引っ張っているんですね(( 前回の記事については http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080615/1213538099 参照。))。
このセミナーのスピーカー3人のうち、George Mason University のサイトにある Ming Wan教授のプロフィールは http://chss.gmu.edu/chss/faculty_staff/index.cfm?personID=26990 。つーか、カタカナで書かないでください、頼みますから。また、 Georgetown University の Robert G. Sutter 教授のプロフィールは http://explore.georgetown.edu/people/sutterr/ で、このページや後述のEWCのページでは、"Visiting Professor"になってるんすけど。客員教授なら普通、そう明記しないかなあ。
客員教授という言葉で思い出してついでに調べてみたのですが、杏林大学総合政策学部( http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/general_policy/staff/list.php )および大学院国際協力研究科( http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/graduate/international/staff/list.php )の教員リストを確認すると、古森義久氏の名前が消えていますね。もう客員教授ではないということでしょうか。以前は正式な杏林大学教授だったはずの田久保忠衛氏の肩書きも客員教授になっています。古森氏の「SAFETY JAPAN」のプロフィール( http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/index.html )は「現職:杏林大学客員教授」のまま更新されていません。大学側が教員としていない人が大学教員を名乗っちゃったら、ちょっとまずいんじゃないでしょうかねえ。セミナーでの古森氏の肩書きはいつもどおり、"Editor-at-Large of The Sankei Shimbun"(産経新聞編集特別委員)になっています。
これもあいかわらずなんですが、そもそもこのセミナーが開かれたという「ワシントン東西センター」の検索結果は12件(うちノイズ1件)、古森氏の記事とblog、その転載しか出てきません。日本でもだいたい、「イースト・ウェスト・センター(のワシントン支部)」で通っているようです。East-West Center in Washington で5月30日に開かれたイベントについてば、EWCのサイトにアフターレボートが出ています( http://www.eastwestcenter.org/ewc-in-washington/events/previous-events-2008/may-30-2008-managing-sino-us-japan-relations/ )。

やっと本論に入れます。通しの見出しが「米国での講演」またはせいぜい「米国での報告(リポート」ではなく「米側への報告」になっているあたりが、実になんとも、古森氏らしくてよいですね。
(1)は古森氏のスピーチ、四川大地震への救援活動、特に自衛隊機派遣問題で日中関係が温暖化していることを解説しています。まあ、前振りですね。
(2)では日中共同声明が表面上は温暖化を示しているが、そこに述べられなかったことが重要だとして、筆頭に「東シナ海のガス田開発と尖閣諸島領有権の問題」を挙げています。二つの問題についてそれぞれ、ここ数日で大きな動きがあったことは皮肉ですね。そしてこの問題や中国の軍拡について「これら4案件は日本国内では連日、議論され、懸念され、一般日本国民の思考の対象となっている」と指摘しています。どこの一般国民だよ。ニッポソ国民しか見てないんでしょうか。また古森氏は、毒ギョーザ問題と米国BSE問題の対比に、あいかわらず非常にこだわっています。これについては後述します。中国産食品問題についてはたしかに今年初めごろ、日本国民がパニックになり、3月のチベット弾圧にも怒りを沸騰させましたが、5月時点ではピークをとっくに過ぎ、スーパーの店頭では冷静に対処しつつ日中首脳会談を歓迎(あるいは無視)していたのが普通の日本国民ではないでしょうか。
(3)の結論では、日本国民の反中姿勢を米側が軽視している、と警告しています。米側は「中国を非難する日本国民を単に「右翼」とか「ナショナリスト」と呼んで片付けるというミスを冒している」((ここで古森氏はなぜか、"nationalist"という単語を否定的な文脈で使っています。))と言っていますが、日本側から見たって同じです。食品安全問題とガス田問題を結びつけて考える人の方が、やはり特殊ではないでしょうか。
まあそんな感じの、古森氏による「米側への報告」でした。

後回しにした米国産牛肉のBSE問題について、以前から書いておきたかったことを少し補足します。これは縦割り行政の弊害と見るべきなのかもしれませんが、加工食品全般の輸入を禁止する法律はないけれど、他国の家畜に伝染病が発生した場合にその肉を輸入禁止する仕組みはずっとあって、たいていなにかが発動しているんですね。鶏インフルエンザとか口蹄疫とかで、どこそこからの鶏肉や豚肉の輸入が止まった、再開した、というニュースはたびたび流れます。BSEも、この家畜伝染病対策のひとつとして扱われているだけです(それが正当かどうかはまた別の話として)。こういう話に注目しない人は気づかないかもしれませんが、輸入停止措置に動きがあるたびに、卸売りに近いところでは食肉の値段が乱高下します。もちろん輸入量が多い国が輸入停止になるとそれだけ影響が大きくなり、その最大の例が米国産牛肉だったというだけです。
余談ついでに、ガス田問題が合意に達しましたが、今回のエントリも含めてこの件にたいへんこだわっている古森氏は、どんなリアクションを示すのでしょうね。産経「主張」は一定の評価を示していますが((6/19【主張】日中ガス田合意 やっと対等の交渉可能に http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/154311/ ))。

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古森義久氏、理解の範囲に落とし込む。

2008/06/13 22:22

 

13日分を意図して公開されたエントリだろうと思いますが、タイムスタンプは12日23時過ぎになっています。まさかまた13日に新エントリ出さないだろうな。


中国からアメリカ議会へのハッカー攻撃――下院本会議で2議員が発表 - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/607253

"hacker"という言葉の本来の意味を解説した(( http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080612/1213280646 ))のと入れ違いにこういう見出しを書かれると、タイミングの悪さにげんなりします。古森氏とわたしはよほど相性が悪いんだな。いいはずはないか(笑)。悪意をもって他人のコンピュータへの進入などをする奴は「ハッカー」ではなく「クラッカー」と呼ぶのがふつーなので、以下はそれで通します。
そもそもの問題として、公開されているサーバならともかく、個人のパソコンがクラックされたっていうのは、いったいどんだけ間抜けなんでしょうね。いや、わたしなんかには想像もつかないような高度なクラッキング手法があるのかもしれませんけどね。ソーシャルクラックとか。なんにしても、連邦議員の事務所ともなれば、セキュリティにはいちばん気を遣わなきゃいけないんじゃないでしょうか。

せっかく古森氏が記事を書いているのに、産経電子版にはなぜか共同通信の配信記事しか出ていません。

米人権派にハッカー攻撃 中国から侵入図ると議員 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/152529


中国“うちは途上国、ハッキングなんて出来ません” - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/152760/

関連する下のニュースも面白いのですがそれはそれとして、まあしょうがないので、古森氏の記事についてはblogエントリの方を参照します。
この古森記事は、「中国政府が米国議員の動向を探ろうとしている」という結論を出していますが、これはどっから出てきた話でしょうか。この記事の中にある両議員の被害報告を読むかぎり、盗まれたデータは「中国の反政府活動家や人権活動家に関する大量な資料(原文ママ)」なのですよね。もちろん実際には他のデータも盗まれているはずですが(というか、コピーしてみないと求めているデータかどうかわからないことが多いのですから)、両議員は、活動家たちの個人情報などを特に重要だと考え、報告したのでしょう。
このクラッカーが中国政府関係者だったとして、まず非合法手段を使ったという問題があり、事実なら非難されるべきです。ただその次として、「政府が反政府活動家のデータを収集する」のと、「他国の議員の動向をスパイする」のとでは、まったく別の問題になってしまいます。どちらも重大な問題ですが、意味が違うのです。そして、この事件がスパイ活動だと示す根拠は、この記事中にはありません。
もしかしたら古森氏は、両議員やFBIがなにを問題視しているのか、「反政府人権活動家の個人情報が当局に知られる」ことがいかに重大なのかを理解できなくて、自分が理解できる「他国の動向をスパイする」というレベルに落とさずにいられなかったのでしょうか。それともやはりここで、「古森さん、また捏造ですか?」と問いかけるべきなのでしょうか。

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